当院で診療する疾患です。
1. 癌
- 腎癌
- 進行しなければ無症状です。偶然発見されることが多いです。
- 尿管癌,膀胱癌
- 肉眼的血尿が生じることが多いです。肉眼的血尿が生じた場合は必ず検査が必要です。
- 前立腺癌
- 初期には無症状か年齢相応の尿勢低下くらいしかありません。そのため発見が遅れることがあります。進行すると肉眼的血尿や骨転移による腰痛などが生じます。50歳を過ぎたら症状の有無にかかわらず,前立腺癌の有無を調べることをお勧めします。
2. 排尿障害
- 男性
- 50歳くらいになると尿勢低下,夜間頻尿,切迫性尿失禁といった前立腺に由来する症状が生じます。多くは良性疾患である前立腺肥大症による症状ですが,前立腺癌が見つかることもあります。
- 女性
- 急に我慢できないような尿意が生じ,尿が近い,また尿がもれるといった状態を過活動膀胱といいます。CMなどの影響で広く知られ多くの薬剤があります。気軽に処方されますが,過活動膀胱の症状は膀胱癌や尿路結石でも生じます。また,残尿の評価によって薬剤も異なってきます。正確な診断,病態の評価に基づく治療が大切です。専門医での診断,治療が必要です。
3. 尿路結石
突然背部~腰部の激痛が生じ,救急車で救急病院に搬送されて尿路結石と診断されることがあります。尿中の結晶が固まって結石となり,尿管に詰まったことによって生じます。結石の大きさによって自然排石が期待できる場合と何らかの手術が必要な場合があります。これまで1000例以上の結石治療を行ってきた経験から,手術の必要性の判断や予想される経過を説明します。
4. 小児泌尿器科
- 先天異常
- 小児特有の疾患である包茎,停留精巣,陰嚢水腫,先天性水腎症,性器奇形の有無をチェックします。男児の包茎による繰り返す亀頭包皮炎は,軟膏塗布で包皮が軟化して包皮の飜転が期待できます。
- おねしょ
- 本人はもちろん,多くの親ごさんが悩んでいます。当院では十分時間をとっておねしょ治療を行っています。薬剤は十分安全性が確立していますし薬剤以外の治療法もあります。
なにより根拠のない「様子を見ましょう」は,なんの解決にもなりません。
5. 性感染症
なかなか相談できずに悩まれている方がたくさんいます。性病が生じる行為があって,排尿時痛や尿道の違和感がある場合は何らかの感染が生じています。当院は専門クリニックとして正確な診断と治療を秘密厳守で行います。また,症状が改善したのちに治癒確認の検査をお勧めしています。
通常は保険診療ですが,ご希望であえて自費診療とすることも可能です。また,薬剤も原則院内で処方いたします。
6. 勃起不全(ED:Erectile Dysfunction)
勃起不全(ED)は,早くは20歳代から生じます。20歳代~40歳代では薬剤によって自信が得られれば,薬剤なしでも性交渉可能となります。50歳代以降では,薬剤なしでの性交渉は難しいかもしれませんが,日本で使用している薬剤は効果,安全性が確立しています。
7. 男性更年期障害(LOH症候群:Late Onset Hypogonadism)
男性更年期障害(LOH症候群)は,比較的新しい疾患です。気力低下や職場での人間関係のトラブルといったうつ状態,食欲低下やだるさといった体調不良,精力の減退などの多岐にわたる症状が出現します。これまではうつ病と診断され薬物治療を受けても改善せず悩んできた方もいると考えられます。血液検査で男性ホルモンを測定することで客観的に診断できます。これまで治らなかった状態が劇的に改善することも期待できます。
8. 慢性腎臓病(CKD : Chronic Kidney Disease)
慢性腎臓病(CKD)は2002年にアメリカで提唱された概念です。慢性に経過するすべての腎臓病をさしています。成人日本人の8人に1人が該当すると言われ,新たな成人病と言われています。高血圧,糖尿病,高脂血症などの生活習慣病と関連が深く,最も進行した状態では血液透析や腎臓移植が必要になります。慢性腎臓病の治療は無症状の初期の期間を長く維持することが重要です。タンパク尿の程度や高血圧の有無などによって慢性腎臓病の有無だけではなく,自分がどの段階にいるのかがわかります。
9. 在宅診療
当院では在宅療養支援診療所としての届出をしています。定期的な訪問診療や突発的な状況での往診を行っています。看護師と一緒に訪問します。当院は泌尿器科専門クリニックですのでこれまでなかなか相談出来なかった排尿に関する相談に積極的に応じます。
また進行がん等の病気で,ご自宅で最期を迎えたいというご希望にも対応しております。
当院では困難なこと,専門外のことも遠慮なくご相談ください。専門医への紹介や適切なアドバイスを行います。